病み期到来
幸せな日々はあっという間で、1年が終わろうとした頃、好きな先生の転勤の報告を聞いた。
言葉を失うってこの事かってぐらい頭が真っ白になった。転勤先は市内の小学校だったけど、もちろん今までみたいに逢えるわけじゃないってことが分かってたから。それぐらい毎日が楽しかった。
恋をしてる自分が好きだった。学校に行く意味の中に好きな人に逢えるってことが大半だった。先生が好きだったBON JOVIも好きになった。先生の英語の授業が楽しかった。授業中名字で呼ぶのに、授業以外は下の名前で呼んでくれる先生が大好きだった。
それが全てなくなる。遠く離れるわけでもないのに、もう逢えないかもしれない。
嫌いになろうと必死だった。今思うと勿体ないけど、避けたりもした。
でも諦めきれなかった私は、辞める少し前に気持ちを伝えた。
私「ずっと好きでした。付き合えないのは分かってる。でも伝えておきたくて。また遊べる時どっか連れてって」
先生「ありがとう。お前が卒業した時、お互いに誰も居なかったら、その時真剣に考えるから」
寂しさは消えないまま、先生は高校を去って行った。
高校2年。私は先生の居ない高校に通いだした。
また大学卒業したばかりの先生が3人ぐらい増えた。その中の1人が英語の先生。
一般的にはイケメン。背も、好きだった先生より10センチは高かったはず。もちろんすごく人気だったけど、私は好きになれなかった。むしろ嫌いだった。
学校を休むことが増えてきて、学校に行くたび作り笑いをすることに疲れた。
勉強しなきゃならないのにやる気が出ない。行く気にもならない。行っても頭に入らない。
抜け殻のようになった私は、帰って自分の部屋に入ると、気付いたらカミソリを持って手首に傷をつけてた。
今傷跡が残ってないぐらいの小さい傷を何度も何度も…。多分死にたいわけじゃなかったと思う。死ぬ勇気なんてなかったはず。カミソリを持った手はそんなに力も入ってなかったと思う。
死ぬことより、逢える可能性がゼロになってしまうことの方が怖かったと思う。でも止めれなかった。当時オシャレ感覚で流行ってたリストバンドがどれだけありがたかったことか。
そんな時、心配してくれた2人の先生が居た。